tawara's blog

雑記。個人の見解です。

東浩紀の「訂正可能性の哲学」を読んだ。あまりに面白かったので既刊の「観光客の哲学」も買った。そっちをいま読んでる。

語り口が親しみやすかった。いわゆる哲学書のように硬質な文章ではない。召喚される哲学者の主張の要約が勉強になった。専門家からしたら批判に値するのかもだが、とにかく現実の課題を乗り越えて前に進むにはこの考えが必要なんだよ、という強い意志を感じる粒度な気がして気持ちがいい。中小企業を経営するなかで人とぶつかり前進してきた経験が文体や思想を支えていそうだ。「ゲンロン戦記」も面白い。僕はこの本ではじめて彼のことを知った。

個人を超える絶対的なものは存在する、けれども常に個人や組織によって訂正される機会に開かれている。それが社会の姿だ。というのが粗く要約した主張だと理解した。人間は間違う。この事実から出発している理論なので信頼ができる。朝の起きぬけに書いているので感想としては素朴だ。他にもっと心に響いた文章はあったけれど、このふたつが残っている。人間は間違うこと、けれど訂正することができること、と。

落合陽一や成田悠輔など最近の人の思想も参照され、批判されている。まさかのルソーとの接続がされるとは思わなかった。大小の驚きが続き、どんどん読めた。「観光客の哲学」も楽しみ。

(了)